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エンコーダの検出方式

エンコーダには4種類の検出方式があり、用途に応じて使われています。

目次

機械式(接触式)

機械式(接触式)のエンコーダはポテンショメーターとも呼ばれており、回転角に比例して電気抵抗が変化することで回転位置が検出されます。パターンスイッチの上をしゅう動接点が動き機械式に接触すると、その移動距離に比例したぶんだけ抵抗値が変化します。

機械式(接触式)の構造

機械式(接触式)エンコーダでは、ONからONの1サイクルを1パルスとし、1回転で発生するパルス数から検出能力(分解能)を測れます。導体と絶縁体の段差やバリによるチャタリングやバウンス(瞬間的な出力OFF状態)、しゅう動ノイズ(出力OFFの範囲内での出力ON状態)などの基本特性がみられます。

トグルスイッチや押しボタンスイッチ、タクトスイッチなどの機械式スイッチでは、スイッチの接点でのバウンドもしくは擦れによるチャタリングがみられます。チャタリングは電子機器の誤作動の原因になることもあり、その発生頻度はスイッチの種類や操作方法で異なります。

発生頻度の高いトラブルですので、装置側でのハードウェアもしくはソフトウェアによる防止策が必要。防止策には、コンデンサによる充放電を利用するなど、シュミット・トリガ・NOT、RSラッチによる方法があります。

光学式

光学式は、エンコーダの中でも定番となっている検出方式。モーター軸に取り付けた回転円盤に放射方向にスリットを(穴)空け、スリットを通る光の有無から測定します。光が通過すると光パルスの信号が変化し、パルスの数を数えることで回転量が判明。その構造は、発光素子(LED)・受光素子・回転円盤(コードホイールもしくは可動スリット)によります。

発光素子には安価な赤外光LEDや、光の拡散が少なく波長が短い有色LED、より高い精度での検出にレーザーダイオードが使われています。レンズは発光素子から発せられる拡散光を凸並行光にするため凸レンズを使い、受光素子にはシリコン・ゲルマニウム・インジウムガリウムリンなどの半導体材料によるフォトダイオードもしくはフォトトランジスタ。

回転円盤には金属製・樹脂製・ガラス製から用途に合わせて選びます。

光学式の構造

光学式では、発光素子と受光素子で回転円盤を挟む透過型と、発光素子と受光素子を同一の平面上に置いて回転円盤に光を反射させる反射型とあります。

スリットへの光の通貨の有無から検出する透過型は、信号の精度が高く、光学経路もさほど難しくないので開発がしやすいといったメリットがあります。対して、回転円盤への光の反射の有無で検出する反射型では、コンパクト設計がしやすく、積み上げ方式で組み立ての工程を簡略化できるといったメリットがあります。

磁気式

モーター軸に永久磁石を取り付け、永久磁石から発生する磁界分布の変化を磁気センサで読み取ります。モーターを回転させる事で磁界分布が変化するので、それを磁気センサで検出し電気信号に変換・出力。モーター軸の回転位置と回転速度が判明します。簡単なものでは、永久磁石と磁気センサ(ホール素子)のみで構成可能です。

磁気式の構造

磁気式エンコーダで使うホール素子は、感度が高い「インジウムアンチモン」や温度特性に優れている「ガリウムヒ素」、感度・温度特性のバランスがとれている「インジウムヒ素」、そしてシリコンです。また、縦方向と横方向とある磁界の強さでも、向き不向きが分かれています。

永久磁石には一般的に円板型(コイン型)が使われており、径方向または面方向に磁化されています。磁束密度の条件に合いさえすれば磁石素材・寸法に制限はありませんが、温度特性に優れたサマコバ系や小型軽量化しやすいネオジ系、価格が安いフェライト系が良く使われています。

ホール素子と永久磁石、そして回転軸の配置には、同一線上に揃える「Shaft-End 配置(軸端配置)」が理想的。ただ、完璧な配置は難しく軸ずれが起こりやすく、その予防がなかなか難しいのがデメリットになっています。その他、「Off-Axis 配置」という使い方もあります。磁気式は耐環境性、小型軽量、高信頼性を重視する場面において使用されることが多いようです。

電磁誘導式

別名「レゾルバ」とも呼ばれているエンコーダで、永久磁石を使用した磁石型誘導コイルを使用したコイル型の2種類あります。どちらもアナログ信号の振幅情報から位置を測定しています。

電磁誘導式は磁界に乱れが起こらなければ問題なく作動し、チリやホコリなどの影響下でも使えます。また、スリットを入れた回転円盤が不要。コンパクト設計も可能で、部品の数も少ないので比較的安価に用意でき、かかる電力も抑えられます。

特に粉じん環境下でも使えるのは大きなメリットで、動力用モーターの制御や電動パワーステアリング、各種バルブ部分の角度制御など車載用制御機器への使用も増加しています。

電磁誘導式の構造

電磁誘導式では、モーター軸に取り付けた誘導コイル(励磁コイル)と固定コイル(検出コイル)間に発生する磁界の変化から測定します。誘導コイルへの給電にはブラシによる接触方式がとられていますが、摩擦による消耗リスクがあることから、改良型のVR(Variable Reactance)型レゾルバも開発されています。

当メディアでは、エンコーダより、耐久性に優れているレゾルバも紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。

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