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Shaft-End・Off-Axisとは

磁気式エンコーダーにおける
Shaft-End・Off-Axisとは

目次

磁気式エンコーダーのOff-Axis配置とは

Off-Axis配置とは、エンコーダーをあえて回転軸の中心からずらし、回転軸の先端をフリーにする配置のことです。

構造

磁気式エンコーダーは、ホール素子と永久磁石で構成されています。

半導体材料で作られるホール素子は、ホール効果という現象を利用して磁界の強さに応じた電圧を出す磁気センサーのこと。ホール素子で検知できる磁界の向きの種類には縦方向と横方向がありますが、Off-Axis配置で使用するホール素子は横方向の磁界の向きを検知できるタイプです。

磁気式エンコーダーに使用する永久磁石の形状は円板型(コイン型)が一般的で、円盤の径方向または面方向に磁化されているのが特徴。Off-Axis配置では回転軸が永久磁石のリングの穴に貫通するように配置し、ホール素子は回転軸の中心から意図的にずらすように配置します。

動作原理

Off-Axis配置の動作原理は、「回転運動による磁界分布の変化」「電気信号の角度情報への変換」「角度情報の補正」の3つから成り立っています。

回転運動による磁界分布の変化

モーター軸の回転によって軸の先端に取り付けた永久磁石の磁界が回転すると同時に、回転軸の中心付近の領域でも磁界の強さが一定のまま回転。これを磁界分布の変化と言い、ホール素子で検知することで電気信号へと変換されます。ただし、ホール素子では、単一方向の磁界の強さしか検知できません。そのため、回転位置を検知するには、磁界の回転面のX軸成分の強さ(Bx)とY軸成分の強さ(By)を検知できる2種類のホール素子が必要になります。

電気信号の角度情報への変換

ホール素子で電気信号へと変換されたX軸成分およびY軸成分の磁界情報は、ADコンバーターでデジタル信号に変換された後、演算回路で三角関数を用いて角度情報に変換されます。

X軸成分とY軸成分を合成することでリサージュ図形(平面図形)を得られますが、Off-Axis配置で得られるリサージュ図形はかなり歪んだ楕円をしているのが特徴。その理由には、リング磁石の横で磁界の強さと方向が同時に変化しながら回転していること、ホール素子に入力される磁界の向きとリング磁石の回転角度が一致していないことが関係しています。

リサージュ図形の歪みにより、X軸成分とY軸成分から算出される回転角度θには大きな角度誤差があるため、Off-Axis配置では角度情報の補正が必須です。

角度情報の補正

Off-Axis配置におけるホール素子の角度情報の補正方法は、大きく分けて2通りあります。

1つは回転角度θと真の角度のテーブルをあらかじめ作成し、テーブル情報を参照しながら線形補完を行う方法。もう1つは、回転角度θに含まれる誤差成分の情報をもとに補正用のパラーメーターをあらかじめ算出し、リサージュ図形が真円になるように補正を行う方法です。

どちらの方法でも、補正演算を行う前のキャリブレーション作業において回転角度θに角度誤差がどれだけ含まれているのかを把握するための、真の角度情報が必要になります。構成された別のエンコーダーもしくはステッピングモーターの指示角情報をリファレンス用として使用するのが一般的です。

Off-Axis配置のメリット

Off-Axis配置では、エンコーダーを回転軸の中心からずらして配置するため、エンコーダーによって回転軸の中心が占有されることはありません。回転軸の先端がフリーになるので、先端を他の用途に使用することが可能です。

磁気式エンコーダーのShaft-End配置とは

Shaft-End配置は、ホール素子・永久磁石・回転軸の中心を同一線上に揃える配置のことです。

構造

ホール素子・永久磁石・回転軸の中心が同一線上に揃ったShaft-End配置は、磁気式エンコーダーにおける理想的な配置とされています。一方で、回転軸の中心をエンコーダーが占める構造をしていることから、回転軸の先端を他の用途に使用できないというデメリットも。この問題を解決するのが、エンコーダーを回転軸の中心から意図的にずらして配置するOff-Axis配置です。

動作原理

回転位置情報を磁界の変化として検出し、電気信号に変換出力するという動作原理は、Off-Axis配置とあまり変わりません。

Shaft-End配置が磁気式エンコーダーにおける理想的な配置とされている理由は、理論上だとリサージュ図形が真円となって角度検知誤差がゼロになるためです。ただ、実際はShaft-End配置でも軸ずれと呼ばれる配置誤差が生じます。

軸ずれを完全にゼロにすることは難しいですが、径方向に磁化された磁石と横方向の磁界の強さを検知するホール素子を組み合わせることにより、軸ずれに対する角度誤差を小さくすることが可能です。

Shaft-End配置のメリット

Shaft-End配置のメリットは、径方向に磁化された磁石と横方向の磁界の強さを検知するホール素子との組み合わせにより、軸ずれに強い磁気式エンコーダーを実現できることです。

まとめ

Off-Axis配置は、エンコーダーを回転軸の中心からあえてずらして配置することにより、回転軸の先端がエンコーダーに占有されないというメリットがあります。Shaft-End配置は、径方向に磁化された磁石と横方向の磁界の強さを検知するホール素子との組み合わせにより、軸ずれに強いのがポイント。それぞれの特徴やメリットを理解したうえで、適切な磁気式エンコーダーの導入を検討しましょう。

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