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オシロスコープの選び方

オシロスコープは電気計測の際、頻繁に使用する機械のため、使用目的に合わせたものを選びましょう。測定したデータを問題なく取得できるよう、オシロスコープ選びで確認したい点をまとめました。費用の目安や賢いオシロスコープ選びのポイントも解説しています。

オシロスコープの費用目安

オシロスコープの費用は製品により様々で、数千円のものから数万円のもの、中には10万円を超えるものも。帯域幅やチャネル数、メモリ長といった要素によって価格が大きく異なり、当然性能が高いほど高額になります。

初期出費をできるだけ抑えたい場合は、最低限必要な機能を持つ製品を購入すれば良いでしょう。最近のオシロスコープはライセンスによるアップグレードが可能なため、必要に応じて性能を高められます。中古品を購入するよりも、新型の機種を購入してグレードを高めていくのが賢い買い方です。ただし、チャネル数は換えが効かないため、優先度を上げて選ぶ必要があります。

オシロスコープを選ぶ際に考慮すべきポイント

オシロスコープ選定の要素になる項目はいくつもあり、予算と相談しながら何を優先するかを考える必要があります。主に以下の11項目についてどこまで性能を追求するか、考えましょう。

帯域幅

帯域幅はオシロスコープの要素の中でも必須パラメータです。装置の価格はほぼ帯域幅によって決まると言っても過言ではありません。基本的には、オシロスコープの帯域幅は「観測記号成分の最高周波数の5倍必要」という5倍ルールの考え方を用いるのが一般的です。これは測定したい信号と同じ周波数帯のオシロスコープを使用すると、測定に30%もの誤差が生まれてしまうため。本来測定したい波形と異なった波形が表示され、信号が歪み、正しい測定結果が得られません。5倍ルールを適用すると、この誤差を2%にまで抑えられ、精度の高い測定が可能になります。最低でも測定する周波数の3倍以上にはなるように、選びましょう。

サンプルレート

サンプルレートとは、オシロスコープが信号を取り込む頻度のことを指し、1秒間のサンプル数で表示されます。サンプルレートが高いほどサンプリングの速度が速く、詳細な波形を分析可能です。必要なサンプルレートは測定対象の波形や使用するオシロスコープの波形描画方法によって異なりますが、「オシロスコープの帯域幅の3~4倍が必要」と覚えておきましょう。数値が低いとなめらかな波形を表示できず、直線的で解析しにくいデータになってしまうケースがあります。

サンプルモード

サンプリング方法の種類のことを指す、サンプルモード。オシロスコープにおいては、主に「リアルタイムサンプリング」と「等価時間サンプリング」の2種類があります。

リアルタイムサンプリングは1度の取り込みで波形を構成する全てのサンプルを得られるモード。単発信号や繰り返しの信号など幅広い信号に使用可能なため、迷った場合はリアルタイムサンプリングを選んでおくと失敗がありません。

等価時間サンプリングは繰り返し信号にのみ使用可能で、測定信号を何回かに分けて取り込むモード。時間はかかるものの、より高い有効サンプルデータが得られるのがメリットです。

分解能とダイナミックレンジ

オシロスコープはアナログデータをデジタルに変換するADCを備えており、ADCのビット数のことを分解能と呼んでいます。またダイナミックレンジは処理できる信号の最大値と最小値の比率を表す言葉です。

一般的なオシロスコープでは分解能8~12ビットのモデルが多め。8ビットだと256レベル、12ビットだと4096レベルで測定でき、数値が上がるほど小さな信号を計測できることになります。どこまで細かなデータを重視するかを考えて選ぶと良いでしょう。

トリガ

オシロスコープのディスプレイに波形が止まって見えるのは、トリガが機能しているためです。一定のイベントの前後の信号を集計する仕組みになっています。多くのオシロスコープには「アナログエッジトリガ」「デジタルトリガ」「ソフトウェアトリガ」が備わっているのが一般的。他にも近年では利用目的に合わせた多彩なトリガ機能が搭載されており、用途に合わせた選択が可能です。例えば、連続する信号が途絶えたときにかかるトリガ機能は、信号の途絶えによって起こるトラブルの調査に向いています。

オンボードメモリ

大容量のオンボードメモリを選ぶメリットは「最大帯域幅を維持しながら長時間のデータ収集が可能」な点です。データの捕捉時間が長くなるほど多くのメモリが使用され、メモリが使い果たされたオシロスコープはサンプリングレートが低下。結果的に、サンプリングレートが不十分で正確な信号をキャッチできない状況が発生します。メモリ容量はポイント数、またはサンプル数で表されるのが一般的です。できるだけ余裕を持ったメモリ選択がおすすめです。

チャンネル密度

基本的にはオシロスコープのチャンネル数は2つか4つかのどちらかです。チャンネル数が多い方が価格は高くなりますが、余裕があれば4チャンネルを検討するのがおすすめ。計測中にエラーが発生したとき、チャンネルが余っていることで原因究明に役立ちます。複数のデータを同時にとれるため、「エラー原因を確認しながらの測定」「多信号の通信IFの測定」が可能で測定効率も向上するのが魅力です。

複数の計測器の同期

オシロスコープを使用する際は、信号発生器やデジタル波形アナライザ、スイッチといった複数の計測器を同時に使用するケースが多くあります。オシロスコープにもともとタイミング/同期が備わっていると、これらの機器をケーブルなしで同期させることが可能です。一連の作業が自動化でき、解析前のスコープや発生器のパラメータの主導設定の必要がなくなるメリットも。機器の連携や操作が多い人は、同期機能を確認すると作業の効率化につながるでしょう。

ミックスドシグナル機能

ミックスドシグナル機能とは、通常のオシロスコープでのサンプリングをしながら同時にミックスドシグナル解析を行える機能のことです。オシロスコープと同じ大きさ、ユーザーインターフェイスで解析可能。A/Dコンバータの入力を解析しながら8ビット出力をモニタしたい場合など、従来の2~4チャンネルでは出来なかった計測が叶うのが魅力です。オシロスコープと同じ操作性ながら、16のデジタルチャンネルを追加できる強みを持ちます。目的の計測が4チャンネルでは足りない、という方はミックスドシグナル機能があるかどうかを確認するのがおすすめです。

ソフトウェア・解析機能・カスタマイズ性

カスタマイズ性は、モジュール式オシロスコープとスタンドアロンのオシロスコープで差が出ます。モジュール式オシロスコープは測定終了後にユーザー定義の演算を実施でき、より柔軟性がありカスタマイズ性が高めです。スタンドアロンのオシロスコープも基本的なニーズは満たしてくれるものの、設定はベンダ定義。当然、全てのアプリケーションの問題には対応できません。より柔軟に測定・解析を行いたいのであればモジュール式をおすすめします。

オシロスコープとデジタイザの違い

デジタイザとはアナログ信号をデジタルデータに変換して取り込む装置のこと。オシロスコープがその場で測定条件を変更しながらディスプレイに表示された波形を確認するのに対し、デジタイザは一定の測定条件下の信号を収集してパソコンへ高速転送するのが主な機能です。近年はオシロスコープもデジタル化が進み、デジタイザの機能を持つ機種も増えています。またデジダイザはソフトウェアを用いて表示・操作出来る点において柔軟性が高いのも特徴。用途や使用状況を考えて、デジタイザ的機能も重視するか考えましょう。

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