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エンコーダのノイズについて

ノイズは信号の検出や解析の妨げとなり、さらに機器の故障を引き起こす可能性があります。そのためノイズ対策は非常に重要です。本記事ではノイズについて詳しく解説します。

そもそもノイズとは?

ノイズは雑音を意味する英語で、電気通信分野では「解析に必要な信号や電力の出力を妨害する不要な電気的要素」のことを指します。ノイズが発生すると本来の情報とは違った形で信号が送られてしまい、解析・出力の品質が下がったり、予期せぬタイミングで機器が動作してしまったりすることも。場合によっては機器が故障してしまうリスクもあります。

一般的なノイズには、電磁波によるノイズや電源のスイッチング時に発生するノイズなどがあります。他にもノイズにはさまざまな種類があり、それぞれの性質も大きく異なるのが特徴的です。電気通信分野の作業品質を高めるためには、これらのノイズへの対策が欠かせません。そのためには、扱う機械や環境で発生しやすいノイズを把握し、適した対策を講じるのが重要です。

ノイズの種類

高周波ノイズ

一般的に10kHz以上のノイズは高周波ノイズに分類されます。主にスイッチングや電磁接触器の接点開閉時など、機器を触った際の動作が原因となることが多いです。「開閉サージ」や「スイッチングノイズ」と呼ばれることもあります。

パルス性ノイズ

ノイズの中でも主にリレーやモーターを駆動させる際に生じるノイズを、パルス性ノイズと呼びます。高周波ノイズと比べるとエネルギー量が大きいのが特徴。ピーク電圧は数千ボルトまで達することもあります。

サージ性ノイズ

急激な電圧上昇や誘導雷などで予期せず発生するノイズは、サージ性ノイズと呼んでいます。発生する原因は主に雷。雷が直撃した場合には電圧が数千~数十万ボルトに達することもあります。機器が破損したり発火したりするリスクがあるため、ノイズ対策の中でもサージ性ノイズの対処は重要です。

エンコーダにおけるノイズ

エンコーダのノイズは、矩形波出力波形の平坦部にヒゲのようにちょろっと発生するのが特徴です。原因はケーブル内の信号線間に生じる浮遊容量。一般的にケーブルが長いほど発生しやすくなります。

ノイズ発生時の特徴は、A相・B相それぞれの立ち上がり時と立ち下り時にお互いの波形にあらわれる点です。立ち上がり時は上側へ、立ち下り時は下側にノイズが発生します。システムの取り込み信号検出範囲外のノイズであれば、基本的に影響はありません。

エンコーダのノイズ対策

エンコーダで発生しやすいノイズは浮遊容量が原因であることがほとんどのため、以下のような対策が有効です。

  • 浮遊容量のないケーブルを利用する
  • 使用するケーブルをできるだけ短くする
  • 負荷抵抗を小さくする
  • 他の動力線と平行にしない
  • ほかの動力線と同一ダクトに配線しない
  • 放電熔接機や電気炉など電磁波を発生するもの付近での使用を避ける、または電磁シールドで対策する
  • シールド線を0Vのラインに接続するか、接地する

また、サージ性ノイズを防ぐためにはバリスタなどのサージ電圧を制御する部品が有効です。電源ライン間や電源ラインーアース間に使用します。

当メディアでは、エンコーダより耐久性に優れ、ノイズに強いレゾルバも紹介しています。レゾルバは出力がアナログなためノイズが生じにくく、長距離伝送も可能です。ノイズ対策に悩んでいる方はぜひ参考にご覧ください。

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