「レゾルバ特性評価装置 RI-1000」は、製品にレゾルバを取り付けた際に、本来の中心から位置がずれてしまうことで生じる角度誤差を0.01°の分解能で測定可能にする装置です。
近年、地球温暖化対策の一環として自動車産業で普及が進む電気自動車やハイブリッド自動車において、その性能をより効率化するため、レゾルバの角度誤差への働きかけが重要になってきています。
レゾルバの特性を正しく評価する装置としてRI-1000が開発されたのですが、その働きは交流回路における電気抵抗の値(インピーダンス)などの電気特性を、中心からズレている状態(偏芯)で測定できるようにすることです。
ステータやロータに対して水平にズレた状態や、軸芯の傾き、スラスト方向オフセットなどに対応しており、ズレのある状態でもレゾルバの角度誤差が測定可能になっています。
「RI-1000」が検査できる対象製品は、ステータ外径の直径30~320で厚さは50mmまで。ワーク内径は直径10~185で厚さは10mmまで、機械角に対する電気角の比率は1~12です。レゾルバに励磁信号を出す励磁回路は、周波数5KHz~20KHz、電圧は1VP-P~20VP-P、電流は200mAP-Pの切換式です。
レゾルバの性能をはかる電気特性試験では、1次・2次インピーダンスやインダクタンス、レジスタンス、リアクタンス、初期電気角誤差、変圧比,電流比,レゾルバ位相差、0.1°ピッチでの角度誤差が測定できます。高速回転試験ではモードを一定回転、スイープ、マニュアルと選択可能。偏芯特性や高速回転の各試験では、最大500ステップのプログラム運転を可能にしています。
「RI-1000」は、レゾルバの基本性能やモータへの取付規格の評価に使われています。モータの振動・騒音の原因の一つであるロータの偏心では、径方向の電磁力が相殺されなくなるので、軸受け部にラジアル荷重が常にかかることで発生します。
機械加工においてはある程度の誤差を考える必要がありますが、微量な偏心量を評価するため、その精度に対応した解析を行う必要があります。RI-1000では、ステータス取付ステージとロータ取付シャフトを補完制御させて、ロータ偏芯やロータ軸の傾きにおける角度誤差を測定します。
また、電気特性試験と偏芯特性試験を同時におこなうことができ、最高12,000rpmの角度誤差測定を可能にしています。
モータ生産工程に関わる様々な検査に対応が可能
エヌエスティーには、電子回路設計や電気回路設計、機構設計、ソフトウェア設計、メンテナンス・製造などのエンジニアが多数在籍。企画提案・適したシステムモデルの提案、開発、設計、試作、量産、その後の保守フォローとすべてに対応。レゾメータをはじめ、自動ブレーキ性能評価装置、データ監視システム、ギヤ噛み合い検査装置、制御コントローラ、音・振動検査装置、モータ特性評価装置、バッテリ充放電検査装置、インバータ特性検査装置、危険(安全)体験装置など、多種多様な製品を取り扱っています。