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オシロスコープが故障する原因や予防策とは

電子機器や回路の解析に欠かせないオシロスコープ。故障してしまうと日常業務やプロジェクトの進行に大きな支障が生じてしまいます。

本記事ではオシロスコープが故障する主な原因と、それを未然に防ぐための対策について詳しく解説。また、万が一故障が疑われる場合の対処法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

オシロスコープの主な故障の原因

オシロスコープはとても精密な機械なので、いろいろな原因で故障してしまうことがあります。ここでは、その主な原因を分かりやすく紹介します。

物理的なダメージ(衝撃や落下)

オシロスコープはデリケートな精密機器であり、衝撃や落下などの物理的なダメージが原因で故障することがあります。特に内部にある電子部品や回路基板が損傷を受けると、機器全体の動作に不具合が発生します。例えば、ディスプレイの表示が乱れたり、ボタンやダイヤルが正確に反応しなくなったりしてしまうでしょう。

環境要因(湿気・ホコリなど)

オシロスコープの動作に影響を与えるもう一つの大きな要因が使用環境です。特に湿気やホコリといった環境要因は、オシロスコープの内部に深刻なダメージを与える可能性があります。

湿気は電子部品に腐食やショートを引き起こす原因となり、回路に異常が発生するリスクを高めます。また、ホコリが機器内部に蓄積すると、冷却機能が低下し、オーバーヒートが原因で部品が損傷する恐れも。作業環境が埃っぽく、湿度管理が難しい場所では故障が早まる可能性が高まります。

使用上の問題(ユーザーエラー)

オシロスコープの故障にはユーザー側の操作ミスも大きな影響を及ぼすことがあります。例えば、「誤った設定で使用してしまい過負荷状態になる」「適合しないプローブやケーブルを接続する」「は正しい測定手順を無視して操作を進めてしまう」といった原因で機器が故障するケースがよくあります。

特に初心者の場合、オシロスコープの使い方に不慣れであるため、誤操作が故障の一因となるケースも少なくありません。オシロスコープは操作が複雑であるため、取扱説明書をしっかりと読み、使用方法の理解が大切。測定する信号や設定条件が適合しているかを確認し誤操作の防止が大切です。

経年劣化・寿命

オシロスコープも他の電子機器と同様に、経年劣化によって故障が発生するものです。長期間の使用は内部の電子部品や基板が劣化を招き、動作が不安定になってしまうでしょう。

例えば、コンデンサの寿命が尽きると、電力供給が安定せず、機器全体のパフォーマンスが低下。頻繁に使用することで、操作ボタンやダイヤルの摩耗が進み、操作が難しくなることもあります。

こうした経年劣化による故障は避けられませんが、定期的なメンテナンスや部品交換によって、オシロスコープの寿命を延ばすことが可能です。

オシロスコープの故障の予防方法

オシロスコープが故障しないようにするためには、日頃のメンテナンスや適切な使用環境の整備が重要です。ここでは、オシロスコープの寿命を延ばし、故障を防ぐための方法を紹介します。

定期的なメンテナンスの実施

定期的なメンテナンスを行うことで、オシロスコープの故障リスクを減らせます。

メンテナンスはまず外部の清掃を定期的に行うことが基本です。特にボタンやダイヤル、接続端子などにホコリが溜まると、動作が悪くなるだけでなく、内部にホコリが侵入して故障の原因となる可能性があります。柔らかい布やエアダスターを使用して、これらの部分を定期的に清掃しましょう。

また、ディスプレイのチェックも大切。画面に傷や汚れが付いていると、表示が見づらくなるだけでなく、表示に異常が出た場合に気づきにくくなります。画面は柔らかい布で拭き、傷がつかないよう注意して清掃してください。

ボタンやダイヤルの動作を定期的に確認し、動きが悪い場合や違和感がある場合は、早めに修理や部品交換を検討しましょう。

適切な使用と保管

オシロスコープの故障を防ぐためには、適切な使用と保管が欠かせません。

まず、使用中や移動させる際に強い衝撃を与えないようにすることが大切です。作業台の安定性を確認し、オシロスコープが落下したり、ケーブルが引っかかって機器が動かされたりしないように注意しましょう。また、使用後には必ず保護カバーをかけ、適切な環境での保管が大切です。

保管時には直射日光が当たる場所や湿度の高い場所を避け、適切な温度と湿度を保てる環境下で管理しましょう。湿気は電子機器にとって大敵ですので、防湿剤や密閉できる保管ケースを利用することも効果的です。

オシロスコープが故障かも?
と思ったときの対処法

もしオシロスコープが正常に動作しなくなった場合、速やかに適切な対処を行うことが重要です。故障が疑われる際の具体的な対処法を紹介します。

1.一度使用を中止し、電源を切る

オシロスコープに異常を感じたら、すぐに使用を中止して電源を切りましょう。例えば、異常な音が発生したり、表示に問題が生じたりした場合には、そのまま使用を続けると、さらなる損傷を引き起こすリスクがあります。電源をオフにすることで、過負荷やショートなどによるさらなるダメージを防ぐことができます。

その後は、機器が完全に冷却されるまで待ち、再度電源を入れて問題が解消されているか確認することも一つの方法です。しかし、再起動しても異常が続く場合は早急に次のステップに進みましょう。

2.外部の損傷がないか目視で確認する

電源を切った後、オシロスコープの外観に損傷がないかを確認します。落下や衝撃による外部の損傷が見つかった場合は、内部にもダメージが及んでいる可能性が高いでしょう。

特にディスプレイのヒビやボタン・ダイヤルの故障は、内部部品の破損を示すサインとなることがあります。また、ケーブルやプローブが正しく接続されているか、損傷がないかも確認してください。

目視確認で問題が見つかった場合は、無理に使用を続けず、すぐに修理を検討しましょう。

3.専門業者に修理を依頼する

オシロスコープの内部構造は非常に複雑であり、機器に関する専門的な知識や専用の道具・部品が必要なため個人で修理するのは困難です。特に電子回路や部品が損傷している場合、誤った修理を行うとさらなる故障や不具合を引き起こす可能性があります。

そのため、故障が確認された場合は、専門業者に修理を依頼するのがおすすめです。また専門業者に依頼する際は保証期間内かどうかを確認し、保証が適用される場合はそれを利用して修理費用を抑えるようにするとよいでしょう。

買い替えを検討し、
オシロスコープを位相差合わせに使用していたなら!

もしオシロスコープを使って位相差合わせを行っている場合、故障や不具合は作業効率に大きな影響を与える可能性があります。頻繁に故障が発生するようであれば、新しいオシロスコープへの買い替えを検討することも一つの選択肢です。

当サイトでは、レゾルバの位相差合わせに特化したオシロスコープの選び方や、操作上の注意点についても情報をまとめていますので、合わせて参考にしてみてください。

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