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オシロスコープの使い方や注意点とは?

オシロスコープは電気信号を波形として視覚化する測定器で、電子回路の解析やトラブルシューティングに欠かせないツールです。その用途は広範囲に及びますが、正しい使い方を理解し、適切に操作することが大切。このページではオシロスコープの基本的な使い方や具体的な操作手順、注意点を詳しく解説します。

目次

オシロスコープの使い方の手順

オシロスコープを効果的に活用するには、準備から実際の測定、解析までの手順を正確に行うことが重要です。以下に各ステップを詳しく説明します。

手順1. 準備と初期設定

オシロスコープを使用する前にまずは必要な準備を行い、測定環境を整えましょう。

電源投入前の確認・電源投入

オシロスコープを使用する前に、測定対象の回路が通電している場合は、安全を確認することが大切です。短絡や過負荷がないことを事前に確認してください。また、オシロスコープ本体やプローブに損傷がないことをチェックします。

これらの準備を行った後、オシロスコープの電源スイッチをオン。起動後、画面に表示される初期設定状態を確認し、正しく動作していることを確認してください。

ディスプレイの調整

オシロスコープのディスプレイは、測定波形を正確に視認するために調整する必要があります。明るさとコントラストを調整し、波形が見やすい設定にします。また、グリッド線が明確に見えるように設定することで、波形の位置を正確に把握しやすくなります。

手順2. プローブの接続と補正

測定対象の信号にプローブを正確に接続することは、正確な測定の第一歩です。

プローブをオシロスコープの入力チャネルに接続し、測定対象の回路に接続します。この際、グランドクリップを適切な接地点に接続しましょう。これにより測定中の信号が安定します。

その後、オシロスコープに付属する校正信号端子を使用して、プローブの補正を行います。補正波形が直線状に表示されることをチェック。歪んだ波形は補正不足の兆候ですので、再調整が必要です。

手順3. 垂直軸(電圧)の設定

波形の振幅がディスプレイ内に収まるように垂直軸の設定を行いましょう。

垂直軸感度(V/div)を適切に設定し、波形全体が視認可能な状態にします。また、波形が画面の中央付近に表示されるように垂直位置を調整。この調整により、波形の電圧変化の正確な観測ができます。

手順4. 水平軸(時間)の設定

波形の周期を明確に観測するため、時間軸スケール(Time/div)を調整し、波形の周期や詳細が適切に表示されるようにします。水平位置を調整することで、波形のスタートポイントが画面上に正確に表示され、信号の開始点や変化のタイミングを正確に把握できます。

手順5. トリガーの設定

波形を安定して表示するため、トリガーレベルを設定して測定対象信号の特定の電圧レベルで波形を固定します。トリガーモードをオートまたはノーマルに設定し、測定環境に応じた適切な設定を選択。波形が安定して観測可能になります。

手順6. 信号の入力と波形の観測

信号の入力

プローブを通じて測定対象の信号源に接続し、信号がオシロスコープに入力されていることを確認します。このとき、測定対象の信号特性(大きさ、周波数、波形タイプなど)を把握し、それに基づいてオシロスコープの感度やスケール設定を適切に調整します。

入力信号が安定していることを確認するため、プローブと接続部に損傷がないか再度確認し、信号の接続状態を常にチェック。信号入力の際の誤差やノイズを最小限に抑えることが可能です。

波形の調整

入力された信号が正確に表示されるよう、垂直軸と水平軸の設定を微調整します。

垂直軸では信号の振幅が画面内に収まるようにスケールを調整し、必要に応じて波形の位置を上下に移動。水平軸では、波形の詳細を確認できるようにタイムベースを変更し、信号の周期や細部が明確に観測できる状態にします。

特に、高周波数信号や複雑な波形の場合、スケール設定が精密な測定に直接影響するため、細心の注意を払って設定を行いましょう。調整が完了したら、波形の全体像が画面内に収まり、正確に観測可能できるかをチェックします。

手順7. 波形の測定と解析

測定パラメータの取得

カーソル機能を使用して、波形のピーク間の電圧差や時間差を測定。特定の波形部分を正確に捉えることで、計測精度を向上させられます。

周波数スペクトル解析(FFT解析)

FFT解析機能を使用して、波形の周波数成分を解析することで信号の周波数特性を詳細に確認できます。特にノイズの原因特定やフィルタリングの効果測定において、この機能は重要な役割を果たします。

測定結果のデータ化

測定結果をUSBメモリやネットワークストレージなどの外部デバイスに保存し、後からの確認や解析に役立てます。測定データは、記録として活用することで、長期的な比較やトラブルシューティングにも役立ちます。加えて、保存したデータを分析ソフトウェアに取り込み、さらなる解析やレポート作成も可能です。

手順8. 波形を見ながらデバッグや評価をする

測定した波形を観察しながら、回路の動作確認やトラブルシューティングを行います。波形の形状や変化を観察することで、回路設計の課題や改善点を特定。波形の安定性や再現性を評価し、異常が発生している場合はその原因を詳細に追跡します。測定データを基にしたデバッグ作業は、製品の品質向上や開発効率の向上にも繋がります。

オシロスコープを安全に使うための注意点

オシロスコープを安全に使用するためには、正しい接地(グランドクリップの適切な使用)が不可欠です。測定対象とオシロスコープ本体間で電位差が発生しないよう、接地点を慎重に選びましょう。不適切な接地はノイズの増加や回路損傷の原因になります。

また、入力信号が最大入力範囲を超えないよう注意し、必要に応じて減衰プローブを使用してください。入力範囲を超える信号がオシロスコープに入力されると、内部回路が損傷を受ける可能性があります。特に、高電圧や高周波数の信号を扱う場合は、入力制限を確認し、必要に応じて減衰プローブを使用することで過負荷を防ぎます。

オシロスコープの設置場所にも配慮が必要です。周囲に強い磁場や振動がある環境では、測定結果に影響が及ぶ可能性があります。可能な限り安定した環境で作業を行い、正確な測定を心がけましょう。

オシロスコープを位相差合わせに使用するなら!

オシロスコープは、信号の位相差を視覚的に確認するのに便利なツールです。特に、トリガ設定やFFT解析を活用することで、位相差を正確に測定できます。しかし、オシロスコープを使った測定には手間がかかり、経験・スキルによっては時間もかかってしまうものです。もしも、レゾルバの位相合わせに使用している・使用する予定であれば、専用の測定器を使ってみることもおすすめです。

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