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その役割

オシロスコープにおけるトリガの種類と
その役割

オシロスコープにおけるトリガとは?

トリガとは、一般的に「銃の引き金」または「引き金を引くこと」を意味するものです。オシロスコープでは、波形取り込みのタイミングを取る機能を指しており、周期的な信号波形を止めているように見えるため「トリガ」と呼称されています。

トリガをかけないとどうなるのか

トリガをかけない「トリガフリー」の状態となると「データを繰り返し取り込む度に波形が止まっていない」あるいは「信号を上手く取り込めない」といった問題が生じます。これらの問題を回避するために、トリガは必要不可欠なものです。

トリガの仕組み

トリガはオシロスコープで正確な評価を行うために、信号の適切なポイントで水平掃引を同期させています。波形の安定や単発信号の取り込みのためにトリガ操作を行うと、オシロスコープ上に繰り返し波形を表示させることが可能です。

トリガの種類

グリッチ・トリガ

指定幅より狭いパルスイベントのみを検出・除外するトリガです。負・正、あるいはそのいずれかの極性の選択が可能で、発生頻度の低いグリッチでも原因や他の信号への影響を確認できます。

Pinpointトリガ・システムのユーザ・インタフェースでは300psで300ps未満のグリッチをサーチすることで、最小150psのグリッチまで検出。不安定になっている原因にトリガすることで問題信号の識別を行います。

パルス幅トリガ

2つの指定時間範囲内のパルスのみを検出・除去するトリガです。長いビット・シーケンスの後でステートが変化した際に発生するISIの観測に適しており、正・負の極性の選択が可能です。150ps~1sで、ユーザ・インタフェースで最小300psまで設定可能で、リアーム時間は300psとなっています。

ラント・トリガ

デジタルシステム暴走の原因となるメタステーブル状態を表しているラント・パルスにおいて、設定された2つの振幅スレッショルド間をパルスが出入りしている場合にトリガするシステムです。

時間での設定も可能で、最小のパルス幅は200ps、リアーム時間は300ps、極性は、負・正かそのいずれかの選択が可能。特定のロジック・ファミリの最小スレッショルド値に設定することも可能です。

タイムアウト・トリガ

指定した時間でのイベントがハイ・ロー、あるいはそのいずれかのままの場合にトリガするもので、時間は300ps~1sで設定可能です。

システムによってクロックやデータ・シグナリングのデットタイムが設計に組まれている場合、他のシステム・イベントとタイミングが合わない場合にシステム通信エラーの原因となってしまいます。他の信号とのタイミングの調査が主な機能で、10秒間で45回のタイムアウト・イベントを検出することもあります。

トランジション時間トリガ

スレッショルドの変化する時間間隔が遅い(大きい)か速い(小さい)場合にトリガするものです。

動作環境において、トランジション時間が必要以上に高速な場合のエネルギー放出、あるいはクロックのトランジション時間が遅すぎることでの回線不安定の原因などになることから、トリガでそれらを防止します。

セットアップ/ホールド・トリガ

システム全体に影響するデータ・エラーの原因となるセットアップ・ホールド時間違反に対してのトリガです。動悸データ信号がセットアップ時間・ホールド時間の設定を外れた時にタイミングの詳細を取り込むことができます。

負または正のクロックエッジを設定したセットアップ時間や、ホールド時間ウィンドウ内でデータトランジションが発生した際にもトリガします。他のトリガでは見逃してしまうような違反も、高い確度でとらえることができる点が特徴です。

ウィンドウ・トリガ

拘束設計では回路基板上の同じパスを共有することでデータを多重化していますが、多重化すると一度に1つのコンポーネントパスしか使用できなくなります。その際、設計エラーが原因で2つのロジック・レベルを持つべきパスに中間のステートが暴れるパスの衝突が発生しますが、このパスの衝突を取り込むためのトリガです。

ユーザーが設定した2つのスレッショルドと時間軸によって定義されているウィンドウをイベント出入り時にトリガ。時間設定もできて信号の出入りによるトリガも可能になります。最小ウィンドウ幅は150psで、最小リアーム時間は500psです。

ロジック・クオリフィケーション

上記のトリガとロジックによる設定を組み合せることができ、イベントを特定するためのさらに強力なツールとなります。

ロジック条件が満たされると、セットアップ・ホールド違反でトリガします。デジタル回路の場合、観測する信号のロジック・ステートに基いてのトリガ条件設定が望ましいです。

ロジック・パターン・トリガ

任意の入力チャンネルロジックの組み合わせでのトリガで、デジタル・ロジックの動作検証に適しており、オシロスコープでは入力チャンネルのロジックパターンを満たした際にトリガします。

従来のロジックにはスレッショルドレベルが用意されていますが、任意のスレッショルド設定も可能で、タイミング検証が重要なメモリ・パスの複雑な設計の特定システム状態検出に力を発揮します。

ロジック・ステート・トリガ

任意のロジック・pターンの定義に対し、立上がりまたは立下りクロックエッジでトリガします。フリップフロップやシフト・レジストを持つ回路の伝播遅延、メタスタビリティ問題のデバックや独立したクロックラインと多くのデータ信号を持つパラレル・パスのトラブルシューティングに適したトリガです。

メイン・トリガ・イベント

Aイベント・Bイベントの2種類のトリガを定義し、遅延トガ、あるいはシーケンストリガとして機能させます。Aイベントだけでは不十分な時にBイベントを定義し、汎用性の高いデュアル・トリガ・システムでそれぞれのイベントの条件を指定します。要求の厳しいアプリケーションの場合、観測が必要な回路の完全な特定は困難です。

しかしこのトリガでは、高速のロジック回路で設定された時間やイベントの後に発生するイベントを検出するよう設定したり、イベントの条件を満たすことで次に起こるイベントを取り込むために待機したりできます。

リセット・トリガ

従来のトリガ・システムでは、イベントの観測中止ができませんでした。次に来る予定のイベントトリガに対して待機しかできませんでしたが、特定のリセット条件を満たした場合イベントを待つことなく中止できる機能です。

これにより、シーケンス設定に3つの選択肢が生まれます。ロジック条件を満たすことでリセットすることで、欠陥が検出された場合に確実にトリガすることが可能です。

シーケンシャル・ロジック・トリガ

メイン・トリガ・イベントやリセット・トリガを組み合わせることでイベントのシーケンスの設定を可能にします。

その際、オシロスコープの効率と有効性に関する新基準を確立することで、リセット・トリガとデュアルイベント・トリガを追加することでそれまで17通りだった標準トリガが、1400通り以上に増加します。組み合わせを増やすことで、エラーが疑われる条件の精度を高め、迅速な原因の特定を実現します。

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