モータにレゾルバを取り付けて使用する際、どうしても取付誤差が生じてしまいます。レゾルバ位相計測装置は、この取り付け誤差(位相差)を計測する装置です。モータとレゾルバや、MRセンサなどの角度センサの位相合わせにかかる作業効率を高めます。その計測分解能は0.001°と高精度で、位相計測結果を定量化できるので正確な品質管理を可能にしています。
正確な計測を可能にしている理由は、R/Dコンバータモジュールが用意不要でレゾルバから直接に信号を入力するからです。モータ極数、レゾルバ極数の設定ができ、多種多様なワークを対象に計算結果を算出可能にしています。
また、駆動モータの制御と計測処理が同一のパソコン上でおこなえ、計算も全自動で対応しているので手間がかかりません。
レゾルバ位相計測装置が開発されたのは2013年です。また、同じモータとレゾルバの取付角度(位相差)を計測できる機器「レゾメータ RM-100」は翌2014年に開発されています。
レゾルバ位相計測装置が対象としているモータは、3相モータの回転数100rpm~3000rpm(評価回転数)、誘起電圧は最大30Vまでです。対象レゾルバは10KHz~20KHzのRef波に、出力信号はsin波とcos波。駆動モータにはACサーボモータ、駆動トルクは対象ワークによります。
電気自動車やハイブリッド車などに搭載するモータにおいて、そこに取り付けるレゾルバの取付角度(位相差)計測する際には、対象モータと駆動モータ、ファンクションジュネレータ、I/Fボックス、モータドライバコントローラなどを繋げておこないます。
パソコンのソフト画面では、モータU相やレゾルバsin波形、レゾルバcos波形が表示。位相差計測結果表示部には、分解能0.001°で表示されます。
レゾルバの角度調整へのニーズは高まっており、レゾルバ位相計測装置はそうした要求に広く対応しています。自動車分野における駆動用モータや電動コンプレッサ、自動二輪分野の駆動用モータ、搬送装置分野のAGV用モータなど、駆動用モータのレゾルバ調整・検査・判定にと活用されています。
開発・導入事例では、自動車部品メーカーでのレゾルバ角度調整効率化が挙げられ、オシロスコープからの変更、アナログ測定からの定量化、検査精度の向上といった成果を出しています。
モータ生産工程に関わる様々な検査に対応が可能
エヌエスティーには、電子回路設計や電気回路設計、機構設計、ソフトウェア設計、メンテナンス・製造などのエンジニアが多数在籍。企画提案・適したシステムモデルの提案、開発、設計、試作、量産、その後の保守フォローとすべてに対応。レゾメータをはじめ、自動ブレーキ性能評価装置、データ監視システム、ギヤ噛み合い検査装置、制御コントローラ、音・振動検査装置、モータ特性評価装置、バッテリ充放電検査装置、インバータ特性検査装置、危険(安全)体験装置など、多種多様な製品を取り扱っています。