ハイブリッド車(HEV)/電気自動車(EV)の駆動用モータの制御に欠かせない回転角センサのレゾルバ。ここでは、レゾルバの一部メーカーと、取り扱っているレゾルバの特徴について紹介します。
VR型レゾルバのシングルシンは、高温・振動・衝撃に強く、ビルトインタイプの超薄型構造で組込みスペースの最小化が可能。ブラシレスレゾルバは、-55~+155°Cまでの広い使用範囲を持ち、耐振動・耐衝撃にも優れています。基本的にはモータと同じ構造のため、高い信頼性があり、ノイズに強いので長距離伝送も可能。電子部品や光学部品がなく、ブラシレスのためメンテナンスフリーです。
本社所在地 | 長野県飯田市大休1879 |
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公式URL | https://www.tamagawa-seiki.co.jp/ |
航空機用センサ開発で培った独自技術により、角度誤差補正による高精度確度計測を実現。ロータ部にコイルを持たず、センシングには電気部品も必要としないので、-40~+150°C以上の温度環境など、条件が厳しい中でも、高い信頼性と計測制度を維持します。
モータの磁界特性や取付位置、組付精度などの特性に応じて、数種の巻線方法から適切な構成を選択できます。世界ハイクラスの薄型構造により、省スペース化も可能です。巻線を含む組立工程を全自動にすることで、品質を安定させ、低コスト化を目指します。
ハイブリッド自動車や電気自動車用モータの制御、EPS用モータの制御、FA、ロボット用モータの制御をはじめ、さまざまなモータの回転角度検出に利用できます。
本社所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1-21-1 渋谷ソラスタ12F |
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公式URL | https://www.jae.com/ |
バリアブルリラクタンス方式の角度センサ。「電動パワーステアリング」「ハイブリッドカー」「電気自動車」「インテグレートスタージェネレータ」「ブレーキバイワイヤー」「ステアリングバイワイヤー」「バルブコントロール」などの幅広い用途を持ちます。
ミネベアミツミでは、ボールベアリングや精密小型モータの生産によって培われた精密機械加工技術を基に、さまざまなサイズや形状、仕様への対応が可能です。
本社所在地 | 東京都港区三田3-9-6 |
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公式URL | https://www.minebeamitsumi.com/ |
創業以来60年にわたってモータ製造に携わり、世界に注目されるモータづくりを目指している一宮電機のレゾルバは、バリアブルリラクタンス型。本体部分はコアと巻線で構成されているので、振動や温度への耐環境性が高いという利点があります。車載用ブラシレスモータのロータ磁極センサなどにも利用されています。
一宮電機では、生産設備を内作し、部品加工・巻線・組立などの主要工程を社内で一貫生産。迅速で効率的な生産体制を目指しています。
本社所在地 | 兵庫県宍粟市一宮町閏賀358 |
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公式URL | https://www.ime-group.co.jp/ |
高周波で励磁することを特徴としたアブソリュートセンサ。励磁の高周波化によって検出感度が高くなり、コイルの巻数が大幅に減少。コイルのプリントパターン化を実現しています。センサ部の厚さ2mm以下や、センサ部直径6mm以下という、薄型化・小型化にも対応可能。シンプルな構造のため、特注にも容易に対応できます。
宇宙利用を目指し、高低温・真空・放射線などの高環境耐性を持ったレゾルバが、JAXAとの共同開発テーマに選定されました。
本社所在地 | 神奈川県大和市大和東3-6-18 松本ビル |
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公式URL | https://www.extcom.co.jp/ |
複数のハウジングとロータリー変圧器構成を備えたレゾルバ。正確な運動制御で360°非接触、角度位置検知、強化精度を実現しています。冗長性あり。
ハネウェルでは、すべての標準構造に同じ部品を使用することで、製造品質の標準デバイスが12週間で製造可能。また、アプリケーションの精度とサイズ要件に合わせて、製品をカスタマイズすることができます。30年以上の経験に基づき、精度、信頼性、耐久性の高いレゾルバを提供しています。
本社所在地 | 東京都港区海岸1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワー 20F |
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公式URL | https://sps.honeywell.com/jp/ja |
センサを中心とするメカトロニクス機器の開発・製造・販売を行っているサンテスト。ハイテク技術を駆使したオリジナル製品を提供しています。
ARRはVR型レゾルバ。1回転/多回転アブソリュートで、アナログ出力一体型が標準。別置きのアンプと組み合わせることで、パラレル出力、CC-Link、CC-Link IEフィールド、Profibus、EtherNet/IP、EtherCATなど、アナログ以外の出力にも対応可能です。
STD/MTDもARRと同じ検出原理のVR型レゾルバです。1回転/多回転アブソリュートで標準はアンプ別置き型。パラレル出力、スイッチ出力、CC-Link、CC-Link IEフィールド、Profibus、EtherNet/IP、EtherCATに出力対応しています。
本社所在地 | 大阪府大阪市此花区島屋4-2-51 テクノパーク島屋 |
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公式URL | https://www.santest.co.jp/ja/ |
アメリカワシントンに本社を置き、世界50カ国以上でビジネスを展開しているフォーティブグループのフォーティブICGジャパンが扱うのは、ヘンクストラブランドのサブブランド、ハロエブランドによるレゾルバ。環境性に応じてフレームハウジングの有無が選択できるなど、用途に応じて重工業仕様、圧延仕様、高精度仕様から選ぶことができます。
11/R11、R25はフレームありの重工業用で、使用温度範囲は最大125°Cです。10/15/21/31/55はフレームなしの重工業用で、使用温度範囲は最大200°C。Haromax15/Haromax21はフレームなしの重工業用で高精度タイプ。使用温度範囲は最大200°Cです。
本社所在地 | 大阪府吹田市南金田2-12-23 |
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公式URL | https://www.fortive-icg.jp/ |
MADE IN JAPANを掲げ広島を拠点として高品質なレゾルバを展開するのが株式会社インターフェースです。
PCI-650102はブラシレスレゾルバと組み合わせることで電気角度情報を取得し、デジタル信号に変換します。分解能は選択可能で、速度を優先したり、制度を優先したり、シチュエーションにあわせた利用が可能です。
PCI-650201とPCI-650301はレゾルバの動作をパソコン上で展開するためのエミュレーターです。エミュレーターだからこそ、自由な動作パターンを出力可能で、角度や速さはもちろん励磁信号に対する出力信号の位相差は調整可能です。(速度変更は出力中に随時可能。)
本社所在地 | 広島市南区京橋町10-21 |
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公式URL | https://www.interface.co.jp/index.htm |
1961年に設立された日本を代表するインダストリアルデザイン製造企業であるマクソンジャパン。彼らが開発する製品のクオリティの高さは世界的に高く評価されており、絶対に失敗できない部分においては非常に重宝されています。例えばNASAの火星ローバーにはマクソンジャパン製品が使われています。他に世界的なカメラブランドの製品や、心臓ポンプなどの医療分野においてもマクソンジャパンの製品は活躍しています。
そんな彼らが手がけるレゾルバは”レゾルバ Res 26, 10 V”です。このレゾルバの特徴は、高い精度信号分解能です。同時に堅牢でもあるために、過酷な環境においても優れた性能を発揮します。
運転温度は -55...+155 °Cと比較的幅の広さがあり、この点は設計者にとって魅力的なポイントです。最大許容回転数(機械的)は10000 rpmです。
本社所在地 | 東京都 新宿区 新宿5-1-15 新宿MM(maxon motor)ビル |
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公式URL | https://premium.ipros.jp/maxongroup/ |
日本電産シンポ株式会社(2023年4月1日に社名がニデックドライブテクノロジー株式会社に変わります)は高性能なモーターの開発で、1952年の創業以来世界的に高く評価されるグローバル企業です。
機械工業デザイン賞 日本ロボット工業会賞、MF技術大賞2018-2019 MF奨励賞など、多数の受賞歴があり、それらが日本電産シンポ株式会社が手がける製品のクオリティの高さを証明していると言えるでしょう。
日本電産シンポ株式会社が取り扱うのは、サーボ式ロールフィーダです。レゾルバを利用したクローズドループシステムによって制御を行い、精密な動作を行います。
本社所在地 | 京都府向日市森本町東ノ口1-1 ニデックパークC棟 |
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公式URL | https://www.nidec.com/jp/nidec-shimpo/ |
ドイツに本社を置くグローバル企業、の日本の会社がハイデンハイン株式会社です。創立は1889年で、メタルエッチング工場を建てる形でベルリンに生まれました。
戦争後に事業が再開され、最初の製品は目盛りと秤でした。そうした流れで光学式位置測定システムや角度エンコーダーが作られます。
手がける製品はドイツ製品らしく質実剛健。パーツの製造、組み込みにおいて高い精度を発揮しており、極めて高い測定分解能を持ちます。
本社所在地 | 東京都千代田区麹町3-2ヒューリック麹町ビル9F |
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公式URL | https://www.heidenhain.co.jp/ja_JP/ |
レゾルバはアナログ出力式ロータリーエンコーダとも呼ばれている回転物の回転角度を検出するセンサーです。読み取った情報は電気信号として出力されて、回転速度をより精密に把握するために使われています。
温度範囲が広く耐環境性に優れています。また、高速回転が可能で高い信頼性があり、ノイズに強く長距離伝送が可能という特徴があります。
レゾルバはトランスの原理を応用しています。トランスは1次巻線と2次巻線の変圧比を一定にしていますが、レゾルバは回転角度で変圧費を変化させています。
レゾルバはコイルの巻き付いた2本のコアで構成され、一次側コアと二次側コアが回転によって相対位置が変化・生じたズレによって生じる交流電流地の測定を行います。
レゾルバの構造は、次の通りです。
ロータには様々な形状があり、出力信号の倍率が制御できます。
レゾルバは産業機器に使用されるのが一般的です。
自動車では走行制御や電動パワーステアリングなどの精密制御のために用いられています。また、過酷な環境の中で精密制御が求められる鉱山機械などにも用いられていますが、商業施設や白物家電では使用されません。
レゾルバは、構造がシンプルでコンパクトに組み込めるというメリットがあります。また、光学部品や電子部品がモーター内部に組み込まれていないことで振動やノイズ、衝撃に強い特徴もあります。一方、出力されたアナログ信号をデジタル変換するためにはR/Dコンバータが必要となる点に注意が必要です。処理が複雑になりやすく、レゾルバのデメリットとも言えます。
これらの特徴から、振動、衝撃、高温、低温、水中、放射線科など様々な場所で用いられており、光学式エンコーダに比べて制度が劣るデメリットをカバーできるほどの丈夫さが魅力だと言えます。
レゾルバの種類は、大きく2つに分けられます。それぞれの種類について解説します。
比較的簡単な回路でも回転角度が検出できます。ケーブルが長く位相ずれの影響が起こるのであれば、補正する必要があります。
2つの励磁信号V21s=Vasinωt、V21c=Vacosωtを入力すると、V21e=Vbsin(ωt+θ)を出力します。V21sと V21eの位相を比較することで角度θを求めます。
2相励磁1相出力と比較すると角度返還の信号処理は複雑ですが、位相ずれと補正に注意しなくて済みます。
V12e=Vasinωtを入力するとV12s=Vbsinθsinωt、V12c=Vbcosθsinωtという2相の信号が出力されます。これを信号処理することでsinθとcosθを算出し、演算処理をすれば角度θが出てきます。
レゾルバから出力した信号をレゾルバ・デジタル・コンバーター(RDC)を用いてデジタル信号に変換します。これにより、CPUでの演算処理が可能となります。RDCを使うことでレゾルバの製造ばらつきを補正することができます。
自動車走行用モーターへ用いる際には、PID制御を行います。目標となる回転数とレゾルバで検出した回転角度・回転角速度を比較してエネルギー量を決定します。
「レゾルバ」の取付けに欠かせない位相計測。オシロスコープを使った 位相差合わせ方法をしている方なら、「オシロスコープをみながらの感覚的な調整ではなく、 位相差の精度をあげたい」「校正証明書がとれるレゾルバ調整機器が欲しい」と思っている方も多いのではないでしょうか。このようなお悩みの方を抱える方はぜひ、チェックしてみてください。
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